AGAに効く発毛剤は?副作用や効果を出すためのポイントを解説

AGAという言葉をテレビなどのメディアでよく目にすることが多くなりました。AGAって何?と思う間に、男性の頭髪の悩みを解決するCMだということに気がつきます。AGAクリニック、発毛剤や育毛剤、おおまかなヘアケア商品という表現の場合もあります。その言葉の違いや情報の多さに戸惑うことも多いでしょう。抜け毛や薄毛が気になり始めた方は、まず言葉や情報の整理をして、何が自分の頭髪の状態に最も適しているのか、見定める必要があります。

今回はAGAにまつわる言葉の違いや、適した発毛剤を選ぶために知っておくべき発毛剤の効果や副作用、効果的に使うためのポイントを解説します。

AGA(男性型脱毛症)と壮年性脱毛症の違いは?

AGA、男性型脱毛症、壮年性脱毛症といった言葉を耳にする機会が増えてきましたが、違いがあるのでしょうか。端的に言うと、男性型脱毛症と壮年性脱毛症は同義語、同じと考えてよいです。AGAは男性型脱毛症の英語のAndroGenetic Alopeciaの略です。

AGAの発症原因として男性ホルモンの関与が明らかになったことや、女性の脱毛症についても研究が進んだことから、男性型脱毛症、女性の男性型脱毛症、女性型脱毛症といった言葉もあります。そのため、総称して壮年性脱毛症という言葉が使われるようになってきました。

壮年性というと中年以降の薄毛の印象がありますが、AGAは男性では20代後半から30代にかけて始まり、前頭部と頭頂部の髪が細く軟毛化して、徐々に額が広く後退し、進行するのが特徴です

AGAの主な治療法

AGAには、日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版で推奨されている標準的な治療法があります。いくつか紹介していきましょう。

フィナステリド

フィナステリドは、飲み薬による治療法です。皮膚科などで処方箋を出してもらう必要があり、診療費や薬代は自費になります。

AGAの原因に男性ホルモンが関与していることが明らかになったことで開発された薬です。男性ホルモンであるテストステロンは髭や胸毛を濃くしたり、男性らしい骨格を作る性ホルモンですが、頭頂部や前頭部の毛包では、男性ホルモンの受容体と結合して毛母細胞の増殖を抑え、脱毛を促す働きがあります。テストステロンは、毛乳頭においてⅡ型5α-リダクターゼという酵素の働きによって、より強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、さらに脱毛を進行させます。フィナステリドは、この酵素の働きを抑えてDHTが作られないようにして、脱毛の進行を抑えたり発毛を促したりする薬です。

フィナステリドの商品名であるプロペシア®の臨床試験では、1日1回0.2㎎または1㎎を48週間服用したところ54~58%の改善が認められ、AGAの進行は5~2%しかみられませんでした。

ミノキシジル

ミノキシジルは日本で唯一発毛効果が認められており、直接頭皮に塗布する外用薬として使用する医薬品の発毛剤です。ミノキシジルは、ヘアサイクルにおける休止期から成長期への移行を促して毛包のミニチュア化を抑え、成長期の期間を維持することで毛髪を太く成長させる作用があります。

ミノキシジル5%配合外用薬リアップの臨床成績では、リアップを1日2回塗布したところ、4週間後には「軽度改善」がみられるようになり、12週後には6割近くに「軽度改善」が、24週後には「軽度改善」「中等度改善」「著明改善」合わせて9割の方が改善したと報告されています。

ミノキシジルの内服薬を、AGAクリニックや並行輸入で入手して使用する方がいます。ミノキシジル錠は高血圧の治療薬として海外では使用されていますが、心臓など循環器系に重大な副作用が起こるリスクがあるため、発毛剤としての使用は世界中で認められている国はありません。

AGA治療薬の個人輸入に関する危険性について詳しくはこちら。

【絶対危険】AGA治療薬 (ミノキシジル・プロペシア・ザガーロ) 個人輸入の危険性…オオサカ堂で買うのは危険?

発毛剤の副作用について

発毛剤の内服薬も外用薬も、どちらも医薬品です。効果が期待できるとともに、副作用にも気を付けて安全に使用したいものです。それぞれの副作用について知っておきましょう。

フィナステリドの副作用

フィナステリドは肝臓で代謝されるため、肝機能障害が現れることがあるようです。特に肝臓に疾患のある方は注意が必要です。また生殖器に関係する副作用が報告されています。性欲の減退、勃起機能不全、射精障害、精液量減少、睾丸痛、血精液症、男性不妊・精液の質低下などが報告されています。

また、前立腺がんの指標となる血清前立腺特異抗原(PSA)値が低く出ることがあります。そのため前立腺がんの診断の際にはフィナステリドを服用していることを伝えるようにしましょう。

ミノキシジル外用薬の副作用

ミノキシジル配合発毛剤の主な副作用は、以下の通りです。最も多いのは、皮膚症状ですが、頭皮の発疹・発赤は頭皮以外にあらわれることもあるので、全身状態にも注意しましょう。循環器系の重大な副作用も発現することがあるので、むくみや動悸などの初期症状には気を付けるようにしましょう。

副作用には記載がありませんが、ヘアサイクルの改善に伴い、初期脱毛が起こることがありますので、使用開始初期には脱毛が増えても慌てずに少なくとも4ヵ月は使用しましょう。

<主な副作用>

  • 皮膚:頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感等
  • 精神神経系:頭痛、気が遠くなる、めまい
  • 循環器:胸の痛み,心拍が速くなる
  • 代謝系:原因のわからない急激な体重増加,手足のむくみ

発毛剤の副作用については、日本初のダイレクトOTC薬として発売されたリアップを例に、「リアップを使う前に知っておくべき副作用」で詳しく紹介しています。

発毛剤と育毛剤の違いは?

発毛剤と呼べるのは、第1類医薬品のミノキシジル配合外用薬のみです。臨床試験で発毛効果と脱毛予防の効果が認められていて、AGAによる薄毛や脱毛を改善したい場合に使用します。
一方、育毛剤は医薬部外品に分類されるもので、臨床試験などによる効果は明らかになっていません。血行を改善するなど頭皮の環境を改善して薄毛や抜け毛の予防に使用します。
抜け毛や薄毛が気になる方は、まず育毛剤で頭皮環境を整え進行を予防するようにしましょう。またAGAは遺伝の要素があるので、親がAGAの方で脱毛や軟毛に気づいた時には、発毛剤によるAGAの治療をおすすめします。

発毛剤と育毛剤の違いや使い分けなどについては「発毛剤と育毛剤の違いについて。使用が必要な人はどんな人?種類別に製品情報を解説!」で解説しています。

おすすめ発毛剤ランキング

ミノキシジル配合の発毛剤の選択肢が増えてきました。代表的な製品の主な特徴を紹介します。

スカルプD メディカルミノキ5

男性のヘアケア商品で有名なアンファー株式会社が販売するミノキシジル5%配合発毛剤です。

添加物としてグリセリン、1,3-ブチレングリコール、エタノール、リン酸が配合されていますが、酸化防止剤は含まれていません。スカルプDのシリーズとして、発毛剤の浸透を妨げる皮脂汚れを落とすシャンプーと、頭皮の保湿のためのコンディショナーを使用すると、より効果的です。

「スカルプD メディカルミノキ5」はAGA治療が受けられる補償制度あり

スカルプDメディカルミノキは、購入時だけでなく、購入後のサポートが充実しています。ひとつはスカルプDミノキ補償制度で、用法用量通りに4ヵ月間使用して全く効果がない場合にサポートが受けられるシステムです。もうひとつは、AGAクリニックの頭髪専門医師の診断を受けられるというものです。サポートを受けられる条件がありますが、日本初の補償サービスです。

スカルプD メディカルミノキ5の詳しい特徴や補償制度については、「スカルプD メディカルミノキ5は生える! 口コミや製品情報、購入方法・使い方まとめ」をご覧ください。

リアップX5プラスネオローション

ミノキシジル配合発毛剤を1999年に日本で初めてダイレクトOTC薬として発売以降、20年間その牙城を守ってきた大正製薬が2020年4月に発売した新製品です。2015年発売のリアップX5プラスローションから、さらに頭皮環境を整え発毛効果をパワーアップさせる有効成分17種類を配合し、後発品との差別化を図っています。頭皮環境を改善するシャンプーをはじめとしたヘアケア製品も同時に発売となりました。

関連記事:リアップX5プラスローションとは? 気になる効果や使い方をご紹介

リグロEX5

ロート製薬が販売するミノキシジル5%配合発毛剤です。リグロEX5は、中年が使用するものと思われていた発毛剤のイメージを変えるべく、20代の若い方をターゲットとした若々しいデザインボトルを採用しています。

関連記事:「リグロEX5で本当に生える? 製品情報や口コミをご紹介

LABOMOヘアグロウ ミノキシ5

長年、髪の悩みに向き合ってきたアートネイチャーが、2019年12月に販売を開始したミノキシジル5%配合発毛剤です。頭皮環境を整えるシャンプーやコンディショナーもラインナップされており、さらに先進のテクノロジーを搭載した超音波振動によるスカルプケア製品やヘッドスパ製品も併せて使用することがすすめられています。

関連記事:「アートネイチャー発毛剤「LABOMO(ラボモ) ヘアグロウ ミノキシ5」発売!はやす先生のCMが気になる…

リアップジェット

リアップのエアゾール剤です。15回噴射することで1回使用量を手軽に塗布できる便利な定量噴射容器です。リアップジェットのミノキシジルは1%の配合ですが、l-メントールが配合されているため、使用5秒後には頭皮温度が低下し、すかっと爽快な使用感が得られるという特徴があります。

関連記事:「リアップジェットとは?口コミ、効果・成分、使用方法、価格を調査!リアップX5との違いは?

女性のAGAとは?

AGAは男性だけと考えがちですが、実は女性のAGAもあります。詳しく見ていきましょう。

女性のAGA(FAGA)の特徴

女性にも男性ホルモンが体内にはあるのですが、若い時にはその量が女性ホルモンに比べて少ないため体毛や毛髪に対する影響がありません。閉経後の50~60代以降になると、毛髪の成長を促す働きのある女性ホルモンの分泌が徐々に少なくなり、男性ホルモンが優位になるため、AGAがみられるようになります。最近では女性のAGAを、女性型脱毛症(FAGA)と呼ぶようになってきました。

女性は頭頂部の軟毛化と広く薄くなるのが特徴で、男性のような前頭部や額の後退は見られません。女性の場合には膠原病や甲状腺の病気、他の病気の治療薬、貧血、急激なダイエットなど、他に脱毛の原因になるものがないか、診断する必要があります。

女性向けの発毛剤はあるの?

女性には男性のような内服薬はありませんが、ミノキシジルを1%配合した女性用の外用発毛剤が、大正製薬からリアップリジェンヌとして販売されています。6ヵ月の使用で毛髪数と太い毛髪の増加が認められています。副作用としては塗布した場所の刺激感や接触性皮膚炎などの皮膚症状が報告されていますが、いずれも軽度又は中等度でした。

関連記事:「リアップリジェンヌとは?効果・成分、使用方法、価格など調べました。

発毛剤を購入する際の注意点

発毛剤は第1種医薬品であり、購入する時に必ず薬剤師から使用上の注意等の説明を受ける必要があります。心臓や循環器系の病気がないか、同成分の発毛剤で過敏症を起こしたことがないか、使用方法や使用期間などについてです。また、発毛剤はAGAの治療に使用するため、薄毛や脱毛の状態、家族歴などの条件に合っていることを注意しましょう。

リアップを例に、発毛剤の購入方法や注意点について「リアップはどこで買える?薬局とネットショップ通販での買い方を解説」で詳しく紹介しています。

発毛剤で効果をより感じるためのポイント

発毛剤を使用して、どのような状態になれば効果を実感することができるでしょうか。リアップの臨床成績の効果は、明確な毛髪の成長、薄くなった部分がどのぐらい被われるようになったか、脱毛の状態の程度、軟毛や硬毛の発生、抜け毛の程度、毛髪数の変化、毛髪の太さの変化などで評価されています。スマホのカメラで使用前後の写真を撮って経過を見たり、スタイリングのしやすさなども目安にするとよいでしょう。

まとめ

男性もおしゃれになり、ますます髪の悩みを抱える方が増えているのではないでしょうか。テレビや雑誌でもAGAクリニックや発毛剤のCMは数多く、ドラッグストアにはさまざまな製品が並び、情報の多さに迷うこともあると思います。AGA、男性型脱毛症、壮年性脱毛症はいずれも同じ意味で使われており、効果が認められているのはミノキシジル配合の外用薬だけです。自分の状態に合わせたヘアケア方法を選んで髪の悩みから第1歩を踏み出しましょう。

執筆者:小谷 敦子

薬剤師ライター(ライター歴約20年。病院、調剤薬局勤務経験あり)

医療系広告代理店、制作会社からの委託による、製品情報概要、インタビューフォーム等医療用医薬品の基本資材およびMR研修資材等の作成。

医療従事者および一般の方向けの雑誌やサイト掲載用の医療情報や、疾患・治療解説の原稿作成。