発毛剤は医薬品で、育毛剤は医薬部外品? 違いを知って正しく使おう!

髪の悩みを感じ始めた時、最初に向かうのはドラッグストアなどの発毛剤や育毛剤の売り場ではないでしょうか。
多くの製品には、医薬品、医薬部外品、育毛剤、発毛剤など似たような言葉が並び、さらには、数多くの成分名が書かれています。どれを買ったらよいのか、自分に合った製品はどれなのか迷うのではないでしょうか。
こうした薄毛や脱毛に用いる製品に書かれている言葉や成分について正しい情報を知っていると、製品を選ぶ時に必ず役立ちます。
ここでは、薄毛や脱毛にお悩みの方に役立つ製品に関係する言葉や選び方について紹介します。

医薬品と医薬部外品の違い

薄毛や脱毛に用いるヘアケア用品には、「医薬品」と「医薬部外品」があります。どのような違いがあるのでしょうか。
説明していきましょう。

どんなところが違う?

「医薬品」、「医薬部外品」という名称は、法律によって分類が決まっています。 簡単に言うと、「医薬品」は脱毛や薄毛の「治療」に使う製品であり、「医薬部外品」は脱毛や薄毛の「予防」に使う製品という違いを覚えておきましょう。
さらに医薬品と医薬部外品では、作用の強さと安全性に違いがあります。「医薬部外品」は効き目が穏やかな分、安全性も高いと考えて良いでしょう。
一方、「医薬品」はどのぐらいの効果があり、どのような副作用がどのぐらい出る可能性があるのかなどの安全性が明らかになっています。
さらに「医薬品」はその効果や安全性によって第1類から第3類まで、さらに細かく分類されています。

購入するときの注意事項

購入する前に、外箱の記載をよく読んでから買うようにしましょう。
家族に壮年性脱毛症の方がいる方で、自分の薄毛の状態や髪質から壮年性脱毛症だと確信した場合には、治療を目的に「医薬品」の記載を目安にします。
それ以外で抜け毛や薄毛が気になる方は、「医薬部外品」の記載を目安にします。

また医薬品のうちで第1類医薬品には、成分としてミノキシジルが含まれています。
発毛効果が高いものの、副作用が出る可能性もあるため、購入前には薬剤師から説明を受けることが義務付けられています。
高血圧や低血圧、心臓などの病気で治療を受けている方は重い副作用が出る場合もあるため、必ず薬剤師に相談するようにしましょう。
通信販売で購入する場合には、問診票の記入が必要です。

発毛剤と育毛剤のちがい

医薬品と医薬部外品の違いがわかったところで、次に発毛剤と育毛剤の違いをみていきましょう。

医薬品の発毛剤とは

発毛剤には、発毛効果が認められた成分が含まれていて、その効果を期待して壮年性脱毛症の治療に使用する医薬品ということになります。
医薬品の発毛剤として、国内外の臨床試験で、壮年性脱毛症に対する発毛効果が認められているのは、外用薬のミノキシジルだけです。
大正製薬による壮年性脱毛症に対してミノキシジル外用薬を使用した臨床試験では、1日2回24週間塗布したところ、約8割の方が発毛効果を実感し、総毛髪数や太い毛髪の増加などが報告されました。
このように、医薬品の発毛剤は、明らかな有効性と安全性のデータが確認されているため、個人差はあるものの、発毛効果は期待できると考えて良いでしょう。

含まれる成分はミノキシジル

ミノキシジルは、アメリカのファルマシア・アップジョン社による高血圧の薬の開発中にみつかった薬品で、多毛の副作用を利用した発毛剤です。
1985年の発売当初は医療用医薬品でした。
その後、日本国内でも大正製薬が臨床試験を行い医療用医薬品として承認されましたが、1992年に購入前に薬剤師による説明が義務付けられた第1類医薬品の大衆薬として発売を開始しました。
日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017でも、壮年性脱毛症の治療に強くすすめられています。

発毛剤の効果は、発毛

発毛剤であるミノキシジルの発毛効果とは、どのような効果のことを言うのでしょうか?壮年性脱毛症では、成長期、退行期、休止期を繰り返すヘアサイクルが乱れ、毛包が成長して新しい毛髪が増える成長期が短くなっています。
毛包は小さくなり毛髪が成長できずに、退行期、休止期に移行するため抜け毛が多くなり、成長していない細く柔らかい毛が増えてきます。
ミノキシジルは、毛包に直接作用して大きく成長させることで、毛母細胞の増殖やタンパク質の合成を促すことで発毛効果を発揮します。
また、短くなった成長期のうち抜け毛の起こる期間を短くし、毛髪の成長期間を維持して、脱毛を食い止め太い毛に育てる働きもあります。

特許切れで続々と企業が参入!商品のラインナップは

大正製薬がリアップを発売後、特許の存続期間である20年が経ち、後発医薬品メーカーがミノキシジルを主成分とした製品の発売を開始しました。
各メーカーは、添加剤による使用感の違いや、容器の使いやすさなどで、他の製品と差別化を図っています。
主な後発医薬品メーカーと商品は以下の通りです。

  • アンファー(株) スカルプDメディカルミノキ5
    ミノキシジル5%配合製品で、酸化防止剤不使用、クッションラバーヘッドなどの特徴があります。スカルプDメディカルミノキ5の購入者に、専門クリニックでの治療費の補償サービスやドクターによる無料サポート、スマホを活用した相談などのサービスが用意されています。
  • ロート製薬 リグロEX5
    ミノキシジル5%配合製品で、使いやすく持ち運びしやすい、スリム、薬液を広範囲に塗り込める柔らかいヘッドなど、継続して使用できる容器に特徴があります。
  • 興和(株) リザレックコーワ
    ミノキシジル5%配合製品で無香料、小さいノズルヘッドで地肌に塗りやすい設計の専用容器が特徴です。
  • その他
    ジェネリック医薬品で有名な東和薬品から、ミノアップ、老舗育毛剤メーカーの加美乃素本舗から加美乃素デルタなど、各メーカーから発売されています。

どんな人におすすめか

ミノキシジルを主成分とした発毛剤を使用できる方は、男女とも壮年性脱毛症の方です。
男性の場合、家族に壮年性脱毛症の方がいる方や、額の生え際が後退し前頭部と頭頂部の毛髪が細く短くなっている場合に、壮年性脱毛症の可能性があるので、ミノキシジル配合製品をおすすめします。
男性用にはミノキシジルの濃度が1%と5%の製品があります。
まず自分に合うか試してみたい方にはミノキシジル1%配合製品がおすすめです。
より高い発毛効果を期待される方はミノキシジル5%配合製品がおすすめです。
女性の壮年性脱毛症は、女性専用のミノキシジル1%配合製品を使用してください。

医薬部外品の育毛剤とは

育毛剤は薄毛や脱毛を予防する目的で使用する医薬部外品です。
育毛剤にはどのような特徴があるのでしょうか。

育毛剤に含まれる成分はさまざま

育毛剤には、各メーカーが独自研究で得たデータを基に、ビタミン剤や生薬、海藻抽出成分など、何十種類もの成分が配合されているものがあります。
ただしミノキシジルのように、臨床試験によって明らかに発毛効果が認められている成分は含まれていません。
とは言っても、各メーカーの研究によって育毛効果があると認められた成分が配合されているため、個人差はあっても育毛効果は期待できると考えて良いでしょう。

育毛剤の効果

育毛剤に配合されている成分にはそれぞれ、毛髪の元になる毛根の毛母細胞の働きを活性化させる効果、毛細血管の血行よくする効果、頭皮の皮脂量を調整する効果、頭皮の保湿効果、炎症を防ぐ効果などがあります。
多くの成分を組み合わせて配合することで、これらの効果が複合的に作用して、頭皮環境の改善や、脱毛予防などの効果を発揮すると考えられます。

どんな種類の商品があるか

育毛効果、使用感、容器の使いやすさ、価格帯などは、個人差や好みがありさまざまです。
また、最近では店頭販売以外にも通信販売でのみ購入できる製品も増えています。
ここでは、店頭で買える商品と通販商品の主なものを紹介します。

店頭で買える商品
  • 薬用フレッシュリアップ(大正製薬)
    ビタミンE誘導体やセンブリ抽出エキスによる血行促進効果、パントテニールエチルエーテルによる毛根部の細胞の活性化によって、育毛や抜け毛を予防する製品です。l-メントール配合で爽快感が持続するエアゾール式の育毛剤です。
  • 薬用育毛スカルプトニック(アンファー)
    酢酸-DL-α-トコフェロール、タマサキツヅラフジアルカロイドによる血行改善効果、グリチルリチン酸ジカリウムによるフケ・かゆみを抑える効果によって頭皮環境を改善し、育毛や抜け毛を予防する製品です。特殊なノズルで液だれせずに頭皮に留まり、毛穴に有効成分が届く容器が特徴です。
通販専用商品
  • チャップアップ(ソーシャルテック)
    血行促進のセンブリエキス、炎症を抑えフケやかゆみを抑えるグリチルリチンジカリウム、かゆみを抑える塩酸ジフェンヒドラミンの3種類の有効成分と、55種類の植物エキス、15種類のアミノ酸を配合した国内生産の育毛剤です。定期購入制度あり。
  • イクオス(キーリー)
    育毛成分として海藻エキス3種類と海藻成分抽出のアルガス-3、抗炎症作用のグリチルリチンジカリウム、血行促進作用のセンブリエキス、かゆみを抑える塩酸ジフェンヒドラミンなどの有効成分の他、頭皮の保湿と環境を整える成分全124種類を配合し、頭皮に浸透する育毛剤です。定期購入制度あり。

どんな人におすすめか

育毛剤は、発毛効果は期待できないため、壮年性脱毛症の方にはおすすめできません。
枕に付いた抜け毛が気になったり、薄毛でスタイルが決まらなくなったという方には、育毛剤が適しています。

あなたに合っているのはどっち? 自分に合った方を使おう

自分の頭皮や毛髪の状態をよく見てみることが大切です。壮年性脱毛症の可能性がある場合には、ミノキシジル配合の製品を選ぶようにしましょう。
それに対し、壮年性脱毛症でない場合には、ミノキシジル配合の製品を使用する必要はありません。
抜け毛が多くなった、毛髪のこしが弱くなってスタイルが決まらないなど、気になり始めたら頭皮の環境を改善し、脱毛や薄毛の進行を予防できる医薬部外品と記載されている育毛剤を購入しましょう。
各メーカーによって配合されている成分の種類や数が違うので、自分に合ったものを探すようにしましょう。