リアップにはEDの副作用がある?育毛剤やAGA治療の副作用も解説

「リアップにはEDの副作用がある?」きっと噂だろうと笑い飛ばしては入られないほどED発症はあまりにも重大な副作用です。壮年性脱毛症で悩んでいるうえに、その治療によってEDまでも発症するとしたら、男性にとってこれ以上にない大問題です。リアップの添付文書には、EDの副作用は記載がありません。では、どこからその噂が出たのでしょうか。リアップの市販後調査で集められた情報や、壮年性脱毛症とEDの年齢層、また他のAGA治療によるEDの可能性などから、その真偽を確かめます。また、リアップ使用で最も多い皮膚症状の副作用のリスクを抑え、より安全に使用するためのパッチテストの方法も紹介します。

リアップを使用するとEDになる?

リアップには、ED、つまり男性の性機能障害(勃起不全、Erectile Dysfunction:ED)になるリスクがあるといわれているようです。それは事実でしょうか?EDは男性にとって非常に大きい問題です。その真偽の程を確かめていきましょう。

リアップ市販後の副作用の報告

医薬品は市販されるまでに、その効果と安全性について臨床試験が行われますが、患者さんの人数や年齢などの背景が限られているため、市販後に初めてわかる効果や副作用があります。

リアップ5%製剤は、平成21年 2月 から平成25 年2月、あらかじめ選定した全国518店 で3,072 例(6ヵ月以上の使用例1,987例 、1年以上の使用例1,527例、65歳以上の使用例148例)、および患者さんからの自発報告1,185例から副作用のデータが集められました。その結果によると、患者さんの自発報告の中で男性性腺機能低下が1件、およびリビドー減退(性欲減退)が1件報告されました。しかし、いずれもリアップの使用との直接的な関連性はわかっていません。また、今回の調査では、EDは報告されませんでした。

EDと壮年性脱毛症の年齢層

EDを患っている方は、ED診療ガイドライン2018年第3版によると、日本人では34.5%と諸外国に比べて多いと言われています。各国の調査にばらつきはありますが、共通して言えるのは年齢とともに増加するということで、40歳未満では1~10%以下、60歳代では20~40%、70歳以上になると50~100%と推定されています。

また、男性型壮年性脱毛症の方は、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」によると全年齢平均では約30%であり、20代で約10%、30代で20%、40代で30%、50 代以降で40数%と年齢に従い増えることがわかっています。

リアップを使用する年齢層とEDのある方の年齢層が重なっていることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

EDの副作用の噂が出たのは?

EDは男性にとって非常に重要な問題です。EDを発症する原因は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病や肥満、加齢など体に原因がある器質性と、日常的なストレスやトラウマなどによる心因性があり、そのほとんどは両者の混合型です。EDの発症とその原因を受け入れがたいことも多く、EDの発症にリアップの使用を関連付けて考えたということは想像に難くありません。つまり、現状リアップを使用するとEDになるというのは、噂に過ぎないと考えるのが妥当でしょう。

その他の治療法でのEDの副作用について

壮年性脱毛症では、他の発毛剤や育毛剤、AGA治療を同時に行う方も多くいることでしょう。リアップ以外のこうした治療法がEDの原因になることはないのでしょうか?ひとつずつみていきましょう。

発毛剤

日本で発毛剤と言えるのは、ミノキシジル配合の第3種医薬品だけです。現在、ミノキシジルを配合した発毛剤は、リアップの特許期間終了に伴い、各社から発売されています。ミノキシジル以外の配合成分は、各社独自ですが、ミノキシジルを液体にするためのエタノールや、グリセリンやセタノールなどの保湿成分、清涼感などの使用感を高めるメントールなどで、副作用としてEDを発症すると考えられるものは配合されていません。

育毛剤

育毛剤は医薬部外品または化粧品に分類され、アレルギーテストなどは実施されていますが、各社独自の育毛成分を配合していることが多く、安全性に関する調査については十分ではありません。そのため、副作用としてEDの発現の有無を判断することは難しいと考えられます。しかし、一般的に考えれば、頭皮に塗布してEDのような重大な副作用を発現するほど、全身的に強い作用をもつ成分が配合されているとは考えにくいのではないでしょうか。

AGA治療

AGAの治療は、主にAGAの専門クリニックで行われます。その治療法としては、日本では承認されていませんがミノキシジル錠の内服、発毛に効果があると考えられているビタミンやミネラルなどを配合した薬の内服、高濃度のミノキシジル配合外用薬、レーザー治療などを組み合わせて行われることが多いようです。
ミノキシジル錠の内服は、血圧低下や心臓に対する影響、浮腫など重大な循環器系への副作用が報告されており、日本はもちろん世界でも壮年性脱毛症に対してその使用が承認されている国はありません。諸外国では難治性の高血圧治療に使用されるミノキシジル錠ですが、海外の添付文書によると副作用としてEDの報告は無いようです。
その他のビタミンやミネラル、ミノキシジル配合外用薬、レーザー治療もEDに対して影響はないと考えてよいでしょう。

リアップの副作用について

リアップの副作用は、主に塗布した部分の皮膚症状や、ミノキシジルが皮膚から微量に吸収されて発症すると考えられる循環器系の症状などがあります。以下に、リアップ製剤共通の副作用を記載します。
皮膚:頭皮の発疹・発赤*,かゆみ,かぶれ,ふけ,使用部位の熱感等
精神神経系:頭痛,気が遠くなる,めまい
循環器:胸の痛み,心拍が速くなる
代謝系:原因のわからない急激な体重増加,手足のむくみ
*:頭皮以外にあらわれることもあります。

また、リアップ製剤の使用上の注意として、下記を有する方は副作用が発現するリスクがあり、注意が必要とされています。そのため、購入前には必ず薬剤師から説明を受けることが義務付けられています。ご自分でも該当する項目がないか確認しましょう。

(1)今までに薬や化粧品などによりアレルギー症状(例えば,発疹・発赤,かゆみ,かぶれ等)を起こしたことがある人。
(2)高血圧の人,低血圧の人。
本剤は血圧に影響を及ぼす可能性が考えられます。
(3)心臓又は腎臓に障害のある人。
本剤は心臓や腎臓に影響を及ぼす可能性が考えられます。
(4)むくみのある人。
むくみを増強させる可能性が考えられます。
(5)家族,兄弟姉妹に壮年性脱毛症の人がいない人。
壮年性脱毛症の発症には遺伝的要因が大きいと考えられます。
(6)高齢者(65歳以上)。
一般に高齢者では好ましくない症状が発現しやすくなります。
(7)次の診断を受けている人。
甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症,甲状腺機能亢進症)。
甲状腺疾患による脱毛の可能性があります。

副作用をなるべく避けるための対処法

副作用のうち最も多いのは塗布した部分のかゆみと炎症です。特に薬や化粧品などで、かゆみやジンマシン、かぶれなどのアレルギー症状を起こしたことがある方は注意が必要です。使用後に症状が現れた場合には、すぐに使用をやめましょう。ここでは使用前に皮膚アレルギーの有無について調べるためパッチテストを紹介します。

パッチテストの方法

ここでは、ヘアカラー製品を参考にしたパッチテストの方法をご紹介します。

  1. リアップを綿棒にとり、腕の内側に10円硬貨大にうすく塗って自然乾燥させます。
    乾くまで衣服につかないように注意しましょう。
    30分くらい放置しても乾かない場合は、余分な液をコットンやティッシュペーパで押さえるようにして軽くふきとってください。
  2. そのまま触れずに48時間放置します。(時間を必ず守ってください。)
    絆創膏等で覆わないでください。
  3. リアップ液を塗布後、30分位後と48時間後の2回、塗布部位の観察を行います。
  4. 発疹、発赤、かゆみ、水疱、刺激など皮膚の異常を感じた場合には、こすらずにすぐに洗い落とし、リアップの使用は避けてください。また、48時間以内であっても同様の処置をしてください。

まとめ

リアップを使うとEDになるというのは、どこから出たのでしょうか。EDは男性にとって重大な問題のため、その原因については健康問題や加齢、心理的な要因などさまざま考えることでしょう。その中で、リアップの使用も原因の一つとして挙げられたのではないでしょうか。市販後多くの方から得られた副作用の中に、現在までにリアップにEDの報告はなく、関連付けて考える必要は無いといえます。一方、リアップには循環器系の副作用のリスクや、一般的なアレルギー症状などは明らかになっています。使用前には必ず薬剤師の説明を受け、パッチテストを行い、少しでも安全に使用するようにしましょう。