リアップを使う前に知っておくべき副作用

「最近髪が薄くなってきた気がする…。」
「薄毛の家系のせいか、自分も薄毛が目立ってきた。」
「薄毛を目立たなくしたいけれど、不自然な増毛やかつらよりもやっぱり自分の健康な髪を維持したい。」
そんな薄毛の悩みにこたえる医薬品として、ドラッグストアなどで手軽に購入できる発毛剤のリアップがあります。
ただし、リアップを使用することでどんな副作用があるのかが心配ですよね。
リアップには「発毛・育毛」と「脱毛(抜け毛)の進行予防」の効果が期待できる有効成分ミノキシジルが配合されているのですが、体質や使用条件によっては副作用が出ることがあります。
そこで、今回はリアップを使用することで起こりうる副作用と、正しい対処法についてまとめました。

リアップには即効性がない

リアップに含まれるミノキシジルは、頭皮に直接塗ることでヘアサイクルを活性化し、健康な毛髪を維持する働きと、抜け毛の進行を予防する効果が認められています。

しかし即効性はありません。ミノキシジル5%配合の「リアップX5プラスローション」の場合、毛髪への変化が実感できるまでには少なくとも4か月以上、毎日使用することが必要です。

毛髪はヘアサイクルの、「初期成長期~成長期~後期成長期~退行期~休止期」の段階を繰り返すことで、徐々に古い毛髪から新しい毛髪へと入れ変わっています。

個人差はありますが、リアップを使用して生まれ変わった毛髪が成長するまでには、ある程度の時間がかかってしまうのです。使用開始間もない時期に中断してしまうと、毛髪の変化が実感できないままになってしまうので、まずは4か月間正しく継続する必要があります。

初期脱毛は効果が出ている証拠

リアップの使用を開始したときに、一時的な脱毛が起きることがあります。
これは「初期脱毛」と呼ばれる現象で、リアップを使用した人全員に起こるわけではありませんが、一部の人にあらわれることがあります。
ただしこの現象は、ミノキシジルが毛髪に働きかけ、ヘアサイクルに変化が起きた証拠でもあります。リアップを使用していない健康な頭皮状態の場合、一日に抜ける毛の量はおおよそ50~100本といわれており、リアップによる初期脱毛でも一日の脱毛本数は100本以内であれば、正常な範囲の脱毛量です。おおよそ2か月以内で、この初期脱毛は見られなくなりますから、過度に心配する必要はありません。 初期脱毛が起こったからといってリアップを中断してしまうと、毛髪の環境は元に戻ってしまいます。リアップによる毛髪の成長を維持するためには、初期脱毛の期間でも使用を続けることが大切です。またこの時期に、生え際や毛髪の薄い部分に、産毛のような細く短い毛が生えてくることもあります。

リアップを使用することで起こる副作用

まずは4か月間、毎日継続する必要があるリアップですが、頭皮や全身に異変を感じたり、副作用かなと思った場合には、すぐに使用を中断し、医師の診断を受けましょう。リアップの中断を検討する副作用としては、以下のような症状があります。

  • 皮膚にあらわれるもの…頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感等
  • 精神神経系にあらわれるもの…頭痛、気が遠くなる、めまい
  • 循環器系にあらわれるもの…胸の痛み、心拍が速くなる
  • 代謝系にあらわれるもの…原因のわからない急激な体重増加、手足のむくみ

などです。

それぞれの副作用をくわしくみてみましょう。

頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、ふけ

ミノキシジルを含むリアップを頭皮に塗布したところに、発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、ふけが出ることが報告されています。そのほか、リアップを塗ったところの発汗や、じんましんなどがみられることがあります。皮膚の発疹・発赤は、まれに頭皮以外の場所に出ることもあるので注意が必要です。

頭痛、気が遠くなる、めまい

ミノキシジルを配合したリアップの使用によって、まれに頭痛や気が遠くなる、めまいといった精神神経系の症状などがあらわれるといった報告があります。重症例は報告されていませんが、症状の感じ方には個人差がありますので、体調に異変を感じたらリアップの使用を中止して、必ず医師に相談してください。

胸の痛み、心拍が速くなる

ミノキシジルの副作用として、まれに循環器系の症状があらわれることがあります。
自覚症状としては、胸の痛みや、心拍が速くなるなどの症状を感じることが多いようです。
また、軽度の動悸や、一時的な高血圧があらわれることがあるものの、重症例は報告されていません。
ただし、循環器系に持病がある人や、高齢の方などは、使用前に医師または薬剤師に相談しましょう。

急激な体重増加、手足のむくみ

リアップを使用することによって、急激な体重増加や、手足のむくみがおきる可能性がありますが、国内ではほとんど報告されていません。過度に心配する必要はないでしょう。

その他、頭皮のべたつき

ミノキシジルは水やエタノールにとけにくい性質を持っているため、外用液に溶けやすくするために、多価アルコールを配合しています。
リアップの使用によって頭皮がべたつくことがありますが、多価アルコールによって起こるもので、皮膚の異常ではありません。

副作用が起こる割合

リアップによる副作用は、いったいどれぐらいの割合で起こるのでしょうか。
リアップを販売するにあたり、リアップに含まれるミノキシジルの安全性と副作用について調査をしたデータが、厚生労働省から公表されています。

高齢者や長期利用している人を含んだ3,072人を対象にした特別調査では、3,072例中、271例に何らかの副作用があらわれたと報告されています。

つまり、「リアップ使用者の約9%に副作用が起きる」ということです。

副作用の中でもっとも起きる割合が高かった症例は、頭皮のかゆみ、発疹、紅斑で、192例にあらわれました。割合としては、「リアップ使用者の約6%に頭皮のかゆみ、発疹、紅斑が起きる」可能性があります。

また、同調査では、副作用の多くはリアップの使用開始後約30日以内にあらわれると報告されています。長期間使用したことによって、副作用がおきる例は確認されていません。

なぜ副作用が起きてしまうのか

毎日続けて頭皮に塗ることで、抜け毛を予防し、毛髪を健康に保つことができるリアップですが、なぜ副作用が起きてしまうのでしょうか?

主な要因として、リアップにはミノキシジルという有効成分が含まれており、このミノキシジルが頭皮に働きかける過程で副作用が起きてしまうことがあります。

ミノキシジルの他にも、リアップの中には頭皮を清浄に保つための成分やアルコールが含まれているため、体質によっては頭皮への刺激が強すぎる場合もありますが、ここではミノキシジルによる副作用の具体的な例をみてみましょう。

血行を促すことによる副作用

リアップに配合されている有効成分であるミノキシジルは、頭皮に直接塗布することにより、皮下の組織の血管を広げて血流をアップさせ、表皮細胞の増殖を促します。

ミノキシジルはこの血管を広げる働きにより、頭皮に塗布することで成分が血管内に取り込まれやすくなっています。
そのため、頭皮の血流が増え、人によってはかゆみや発疹が出ることがあるのです。

血管を広げることによる副作用

リアップに配合されているミノキシジルは、もともと血管拡張作用を利用した血圧を下げる飲み薬としてアメリカで開発された薬品です。

そのため、内服などでミノキシジルが大量に体内に入った場合には、血管拡張作用によって血圧が下がったり、血圧が下がることで頭痛やめまいといった自覚症状を感じたりする可能性があります。
ただし、リアップは頭皮に塗るだけなので、重大な副作用には至らないと考えられています。

リアップで副作用が起こりやすいケース

リアップによる副作用は、使用したすべての人に起こるわけではありません。
副作用の程度や頻度には個人差があり、体質やその他の条件によっても異なります。リアップの副作用がどんな時に出やすいのか、注意が必要なケースについてみてみましょう。

肌が弱く、配合成分との相性が悪い体質

ミノキシジルをはじめ、リアップに配合されている成分は、頭皮の血行をアップさせ、ヘアサイクルを活性化させるのに役立つものですが、もともと肌が弱く、敏感な体質の方にとっては配合成分のいずれかによる刺激が強すぎることがあります。

また、65歳以上の人や、高血圧あるいは低血圧など循環器に持病があったり、心臓や腎臓に障害のある方や、むくみやすい方の場合など、使用前に医師または薬剤師に必ず相談してください。

過去に薬などで副作用が起こったことがある

リアップの添付文書にも記載されているとおり、これまでに薬や化粧品などで発疹・発赤・かゆみなどのアレルギー症状が起きたことがある人は、注意が必要です。

アルコールに弱い体質の人も、リアップに含まれるアルコール成分に反応してかぶれや発疹などの症状がでやすい可能性があります。

体調不良や頭皮にトラブルがある時は使用に注意が必要

かぜや体調不良、アレルギーなどで薬を使用しているときは、リアップの使用に注意が必要です。
かぜの時に服用することの多い鎮痛解熱剤や、花粉症やかゆみのある時に服用することの多い抗ヒスタミン剤を含む薬は、皮膚の血流を低下させ、ヘアサイクルを滞らせることがあります。
これらの薬を飲み続けていると、薄毛になりやすい環境に逆戻りしてしまうケースもあるので注意してください。

そして、頭皮にきず、湿疹、炎症などが出ている部位に使用すると、これらの症状を悪化させてしまうことがあるので、完治してから使用するようにしてください。

また、他の塗り薬などを使用しているときは、リアップを併用することはできません。同時に塗ってしまうと、成分の吸収に影響が出て、副作用が出やすくなってしまうことがあります。

実際に副作用が起きた場合の対処法

リアップを使用しているときに、頭皮や身体に異変を感じると不安になりますよね。
「もしかして、リアップの副作用なのかな?」と思った時はどのように対処すればよいのでしょうか?トラブルのケース別に対処法をみてみましょう。

かゆみやかぶれなどの「頭皮トラブル」の場合

リアップによるかゆみやかぶれなどの「頭皮トラブル」は、使用開始直後から、約6%の人にみられる症状です。
これまで重症にいたったケースは報告されていませんが、頭皮の違和感やかゆみなどを覚えたら、すぐに使用を中止し、まずは医師の診断を受けましょう。
医師の診断を受ける際には、必ず、リアップ使用後に症状があらわれたことを伝えましょう。受診する際には、リアップの添付文書も持参するとよいでしょう。

頭皮に急なかゆみや違和感、熱感が出た場合には、掻いたりこすったりせず、流水でよく洗い流すようにしましょう。
自己判断で薬をつけたり、服薬したりせず、医師の指示に従うようにしましょう。

頭痛やめまいなど「身体の不調」の場合

リアップ使用中に、頭痛やめまいなどの全身症状を感じた場合も、すぐにリアップの使用を中止して医師の診察を受けなくてはなりません。
もともと持病のある人は、かかりつけの医師に相談するようにし、かかりつけの医師がいない人は、内科を受診しましょう。
症状を伝える際には、リアップを使用して体調が悪くなった旨を伝えることが大切です。そうすることで、副作用の早期診断と症状の早期回復につながります。

副作用が出やすいかどうか調べる方法

リアップを開始する際は、副作用が出やすい体質かどうかを事前に確かめてから使用を開始するとよいでしょう。すべての副作用のあらわれかたを予測することはできませんが、副作用が起きる確率の高い「かゆみ、かぶれ、発疹」などの皮膚のトラブルは、「パッチテスト」で簡単に調べることができます。パッチテストは皮膚が薄く、敏感な二の腕で行います。

パッチテストの方法

  1. 肌を流水で洗い、清潔にする
  2. 肌が完全に乾いたら、リアップをガーゼやコットンに少量しみこませる
  3. しみこませたガーゼやコットンを絆創膏やサージカルテープで二の腕に貼りつけ、数時間おく
  4. 貼った部位にかゆみやかぶれなどのトラブルがなければOKです

まとめ

リアップを使用するにあたって、注意しなくてはならないことや知っておいた方がよい事についてご紹介しました。とくにリアップの副作用に関しては、症状の程度や感じ方には個人差があるため、「副作用かな?」と思ったら、自己判断せずに医師に相談するようにしてください。

あらためて、内容をまとめると

  • リアップには即効性はないため、毎日使用し4か月以上は継続することが大切
  • リアップ開始直後は、「初期脱毛」という一過的な抜け毛が起きることがあるが、過度な心配は不要
  • 持病がある人や、敏感肌の人は事前に医師または薬剤師に相談を
  • リアップの副作用は約9%の人に起こる
  • もっとも多い副作用は、頭皮のかゆみやかぶれなどの皮膚のトラブル
  • リアップを使用開始するときは、事前にパッチテストをすると安心

リアップの実際の使用にあたっては、添付文書をよく読んで適切に使用し、健康な毛髪を育みましょう。